高いものは10年着れる?
長年に渡って男性のワードローブの傾向を見ていると、男性は気に入ったものを長く使うことが多いです。
気に入ってる服や着やすいものはそればかり着てしまうという方も少なくありません。
その結果へたるのも早くなり、もう一度同じものが欲しいと言われるお客様もいらっしゃいます。
特にメンズのトレンドは短期間で大きく変わるものではないので、長く使えるかどうかを考えるのも服選びの大事な判断基準になります。
価格が高いものは長く使える傾向にあります。(一部スーツや特定の素材を除いて)
そして価格が高いものにはそれなりの理由があります。
インポートの洋服は輸入関税や為替の影響がある分割高なイメージがありますが、国産ブランドにはない魅力がたくさんありますし、実際に割高でもありません。
なぜなら、10年以上も前に買った服を今でも現役バリバリで使えてるものも多いからです。
もちろんデザイン性や扱いにもよりますが、高価だと思う服は大事に扱いたくなるのが心情ですし、長く着れるデザインのものを選べば10年以上使えるものはとても多いです。
私の場合、例えばですが、10年前の当時39,000円で買ったJacob Cohenのパンツ、色あせやへたりはあるものの未だに一軍の現役選手として活躍しています。
その時は高いパンツだな~って思っていましたが、今考えると年間3,900円!ファストファッション並みです(笑)
そろそろ再度新調したいなと思ったところ、価格が5万円を越えてしまっていてまぁこのままでもいっかとなりました(笑)
しかもシルエットや履き心地が極上ですし、履いている満足感、所有欲を満たしてくれる、コーディネートの幅が広い、履くために体型を維持し続ける意欲が湧く、といいことばかりです。
お客様の中にも15年くらい前のカットソーやニット、パンツ、アウターなどを着て、いらっしゃる方も多いです。
これには理由があって、イタリアの服飾文化の中には、気に入ったものを修理しながら長く使うというものがあり、ほつれなどを修理しながら着ていけば10年は着れるものが多いです。
そういうもののデザインは基本的にはシンプル、買うときにはちょっと地味かな?と思うようなアイテムが多い気がしますが、ディテールが凝ったりしていて10年経っても色あせないデザイン性を維持しています。
逆にデザイン性が高いものや派手なカラーは、その時お店で見るととても良く見えるものですが、時間が経ってトレンドが徐々に変化していくと着づらくなる傾向があるので選ぶ際には注意が必要です。
長く使いたい定番アイテム、パンツ、ジャケット、アウターなど、思い切って高価なものをチョイスするのも良いと思います。
もちろん自分の中での優先順位、重要度にもよりますが、この選択術は実は○○沼にハマらない一番の近道ではないかと思います。